後代検定とゲノム検査の違いはなんですか?
掲載日:2019.10.11
後代検定とゲノム検査の違いと、それぞれのメリットとデメリットを詳しく知りたいです。
【乳牛の種雄牛生産の場合】
後代検定とは実際に種雄牛の娘牛を生産し、その娘牛が妊娠・分娩後に泌乳能力や体型評価値を調査することで種雄牛の能力を判定します。
種雄牛の生産から娘牛の泌乳能力が判明するまで約5年かかりますが信頼性は85%と高いです。
一方、ゲノミック評価は種雄牛が子牛の段階で検査可能ですが、信頼性は50%と後代検定に比べて低いです。
ゲノミック評価は実際に娘牛を持たない若齢種雄牛について、DNA上の特定の塩基配列の型と従来の遺伝的能力情報を基に泌乳能力や体型評価値を推定します。
また、ゲノミック評価は従来計算できなかった若齢種雄牛と未経産牛の遺伝評価値の信頼性を向上させることができます。
従って、時間と経費を費やして信頼性の高い評価値を得ることができるのが後代検定であり、後代検定より信頼性は低いが世代間隔を最大限に短縮できるのがゲノミック評価です。
【回答者】
酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類
講師 西寒水 将