質問コーナー

質問コーナー

Q&A

フリーストール牛舎の通路に付ける溝はなぜ「縦溝」がよいのですか?

掲載日:2020.06.18

Q

特集『乳用牛の生産性を高めるカウコンフォートに配慮した牛舎構造』のなかで、フリーストール牛舎の通路に付ける溝に関して「溝は縦溝とする」とありましたが、他の形状ではなく縦溝が良いのでしょうか?
また、溝の間隔は40mm~75mmとありますが、40mmと75mmではなにが異なるのでしょうか?

A

「溝は縦溝とする」について
乳牛のスリップを防ぐための溝:目地ですが、縦溝、ダイヤモンド(クロス目地)などがあります。表面が平らできれいで滑らないように仕上がっていれば、大きな問題はありません。しかし、スタンプ方式で作ることが多いダイヤモンド目地ではきれいな目地が出来ません。十勝地区には上手く作っている例はありますが、ほとんどの場合、問題があります。
また、目地を選択する場合のポイントは、施工コスト、作業のしやすさ、早さです。最近では通路コンクリートを打ってからカッティングする方が、コストも安く作業性が良いことが分かってきています。この場合、縦溝が容易に作れると言うことです。
縦溝で十分と言うこともあります。ダイヤモンド目地の場合、交差する部分の溝形状で角ができ、溝幅が広くなってしまうため、私は推奨しません。

溝間隔「40~75mm」について
溝はなぜつけるのかと言うことですが、牛が足を置いたときに溝に当たって滑らないと言う考え(溝間隔を狭く)と、足が滑っても溝に当たって滑らない(溝間隔を広く)という考えがあります。私は前者、溝間隔を狭くして足を置いたときに滑らない、と言う考えをとっています。
40mm間隔は最低限の間隔で、英国デュメロー氏の提案幅です。これ以下にすると蹄にかかる圧力が大きくなってきます。75mm間隔は米国で見られる寸法です。これ以上大きくすると、スリップすることが多くなります。
溝間隔はこの間で施工すると良いと言うことで、カッティング施工する機械の設定や作業性などで決めるといいと思います。
これらの形状や寸法はあくまで一例です。農家の方と十分に協議して農家の方が納得する方法で施工することがいいと思います。
農家によっては間隔の狭い溝は蹄が傷むと考える方もいます。そのような場合は、採食場所はゴムマットを敷くなどして、溝のある通路上に滞在する時間を少なくし、採食以外は出来るだけ牛床に横臥させると言うことで、蹄の傷みを抑えることが大切と思います。


【回答者】
酪農学園大学
名誉教授 髙橋 圭二