2021年度2級認定牛削蹄師講習会・認定試験が開催されました
掲載日:2021.10.15
10月6日(水)、7日(木)の2日間にわたり、酪農学園フィールド教育研究センター(FEDREC)酪農生産ステーションで「2021年度2級認定牛削蹄師認定講習会・認定試験」が開催されました。
本学での開催は2019年度から3年連続となります。附属とわの森三愛高校からの参加はありませんでしたが、大学生は今年も定員以上の希望者がおり、過去最多となる22名(循環農学類15名、獣医学類1名、獣医保健看護学類6名)が受講・受験しました。女子学生の割合も年々増加しており、半数にあたる11名が女子学生となりました。
資格取得に向けたトレーニングは毎日16時頃から2時間程度、FEDREC酪農生産ステーションで行われました。実牛を用いた実習のほか、資材置き場の一画に設置された阿部紀次獣医臨床教授(獣医学類)製作の“木馬”や粗落とし※の練習用ボードなどを活用し、日々の練習を重ねたそうです。
※粗落とし:削蹄の第一段階で、蹄の下にゴムマットなどを置き、伸びた部分を削蹄鉈で切り落とす作業。
講習会・認定試験の1日目は牛の肢蹄の解剖学や疾病に関する講義と試験、2日目の午前中はプロの削蹄師による実牛を使用したデモンストレーションと実技講習が行われます。その後行われる実技試験では、一人当たり40分の制限時間内に「単独保定法(枠場を使用せず肢を持ち上げて支えながら削蹄する方法)」での前後肢各1肢の基本削蹄に挑みます。
本番前最後の確認の場となる実技講習では、なかなか姿勢を保てず苦戦する受講生の姿も見られましたが、現役削蹄師として活躍される日本装削蹄協会や久津間装蹄所の方々のアドバイスを受けながら集中して取り組んでいました。
試験の結果は年明けに通知される予定です。3年連続全員合格が期待されます。
公益財団法人日本装削蹄協会 高松 勝憲 常務理事のコメント
たくさんの学生に牛の蹄に興味を持ってもらうことができ嬉しく思う。
蹄のケアは牛の発育・体調維持と密接に関連しており、最近はアニマルウェルフェアの面からも関心が高まっている。
新型コロナウイルス感染症の影響で、本来の規模や時期に講習が開催できなかった会場もあるが、酪農学園としてこのように取り組んでいただだき開催できたことを協会としてもありがたく思う。
この講習で学んだことは、将来牛削蹄師になる、ならないは別として、牛の管理をする上で今後必ず役に立つと考えている。今回参加した学生には社会に出てからも知識と技術を活かしてもらいたい。
学生の指導にあたった阿部紀次獣医臨床教授のコメント
講習会・認定試験の開催と日頃の練習実施にあたっては、FEDREC、乳牛研究会に多大な理解とサポートをいただきました。また、キャリアセンターには受付業務を担っていただきました。ご協力いただいた皆様に感謝いたします。
【削蹄とは?】
伸びた蹄を切ったり形を整えたりする作業です。牛は運動量が少なく蹄が伸びやすいため、少なくとも年に2回は削蹄する必要があります。
また、“牛に親しむ・牛を知る”トレーニングとしても重要な作業です。現在、世界で飼養されている牛の25%が跛行を示すとされており、蹄病は繁殖障害との関連も指摘されています。たった1本の蹄の異常で牛の生命が終わる可能性もあるため、蹄管理は非常に重要であり、日頃から丁寧な管理をする必要があります。(阿部獣医臨床教授)
牛の蹄管理については、ぜひこちらの動画をご覧ください。
動画集 公開講座『牛の蹄管理総論Ⅰ』
https://rp.rakuno.ac.jp/archives/course/2977.html