乳牛の基本情報 ~採食量・排泄量・泌乳量~
掲載日:2018.07.06
1.採食量・飲水量
搾乳牛の場合、1日当たり40~60kgの飼料を食べ、60~120ℓの水を飲みます。泌乳量の多い牛ほど採食量、
飲水量が多くなります。
乳牛は胃を四つ持っており採食された飼料はまず第一胃に入ります。第一胃には様々な微生物が生息してお
り、乳牛が消化できない繊維質の発酵・分解を行う重要な役割を担っています。また、一度胃に入った飼料を
再度口に戻し、噛み砕いて飲み込む反芻(はんすう)という方法をとっていることも乳牛の消化の大きな特徴
です。反芻にかける時間は、飼料中の粗飼料割合が高くなるほど長くなります。一日の採食時間と反芻時間は
それぞれ8時間程度とされており、乳牛は1日の大半を「食」のために費やします。
2.排泄量
排泄量は採食量によって変化しますが、搾乳牛の場合1日当たり45~50kgの糞と15kgの尿を排泄します。排泄
された糞を発酵させたものを堆肥といい、肥料として牧草地等に散布されます。
3.泌乳量
乳牛の泌乳量は、分娩直後は1日当たり20kgほどですが、分娩後およそ2カ月で最も多くなり、30~50kg以
上になる乳牛もいます。生乳は子牛のための栄養源ですが、現在飼われている乳牛は、人間が利用するために
泌乳量が増えるよう改良されており、1乳期に9,000kgほどの生乳を出します。1日当たり70kg、1乳期で
20,000kgを超える生乳を出す牛は「スーパーカウ」と呼ばれます。