未来の酪農家紹介「大原牧場(北海道美瑛町)大原 悠さん」
掲載日:2021.01.25
酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 4年
家畜管理・行動学研究室 大原 悠
酪農学園大学入学のきっかけ
父親の母校でもある酪農学園大学附属とわの森三愛高校に入学し、酪農について学んでいくにつれ、より深く学びたいと考えるようになり酪農学園大学に進学することを決めました。
また、高校3年次の授業に“酪農学園大学の研究室見学”というものがあり、そのときに家畜管理・行動学研究室(循環農学類・森田教授)を見学させてもらいました。そこで話を聞くにつれて「この研究室で酪農のことや牛のことを学びたい」と思ったことも、酪農学園大学に入学したいと思うきっかけの一つとなりました。
在学中に力を入れたこと
在学中に力を入れたことは、まずはサークル活動です。サークル活動では中学、高校と続けてきた卓球部に入りました。高校よりもレベルの高い人たちと試合ができたことはいい経験となりました。全道大会などで全道各地に足を運び、試合をしたことも思い出に残っています。また、3年次からは部長を任せてもらい、部全体のことを考え行動するようになりました。
次にゼミ活動です。入学したきっかけでも書きましたが、「家畜管理・行動学研究室に入りたい」という気持ちが強かったので、2年次から積極的にゼミ訪問やイベントに参加させてもらいました。3年生になり無事に入ることができたので、いろいろなゼミ調査やイベントに積極的に参加しました。2020年からはゼミ長をしているので、ゼミ全体が楽しく活動できるように積極的にいろいろなことに取り組みたいと思っています。
卒業論文の概要
卒業論文のテーマについては、高校生のときから興味があった「酪農教育ファーム」について取り組んでいます。酪農教育ファームとは、簡単に説明すると“生産者(酪農家など)が牧場を使って酪農やいのちのことについて消費者に知ってもらう活動”のことを言います。酪農について知らない人たちが酪農のこと知ったときに、少しでも考えが変わるきっかけになれば嬉しいと思い興味を持ったのがきっかけでした。今まで何軒かの酪農家さんを訪問し話を聞かせてもらいましたが、1から10まで同じやり方で行っている酪農家さんはいませんでした。牧場の規模や頭数が違う中で、その牧場オリジナルの方法でやっているということも、酪農教育ファームの魅力の一つと考えています。知れば知るほど奥が深く興味がわき、卒業論文のテーマを「酪農教育ファーム」とすることとしました。
牧場の概要
所 在 地:北海道上川郡美瑛町
経営面積:採草地28 ha、飼料用(デントコーンなど) 22 ha
飼養頭数:ホルスタイン種 経産牛 70 頭、未経産牛 65 頭
出荷乳量: 700t/年
牛 舎: つなぎ飼い
搾乳方式:パイプライン 、ユニット8台
従 業 員: 3名(両親+1名)
牧場の歴史、特長、取り組みなど
祖父の代から酪農を始め、父に経営が移った際に規模を大きくするため、今の牧場の位置に牛舎を新設しました。つなぎ飼いをしているので、一頭一頭の管理を徹底し、長命連産できるような飼養管理を心がけています。子牛の飼養管理は主に母が担当し健康管理を行っています。私の家はいわゆる家族経営なので、無理をしない頭数で一頭一頭を大切に育てています。今は多くの酪農家が大規模化や法人化をしていますが、家族経営、つなぎ飼いという点を活かして飼養していることが特徴です。
就農後の目標
卒業後は、実際に酪農教育ファーム活動を行なっている牧場で働かせてもらい、経験を積みたいと思っています。今は教育ファームについて話を聞かせてもらい知識を増やしているだけなのですが、実際に働かせてもらい教育ファーム活動を行うことで、自分なりの教育ファームのやり方を見つけたいと思っています。
将来は実家の牧場でも認証を取得して酪農教育ファーム活動を行い、さまざまな人に酪農の魅力を伝えていきたいと考えています。そして酪農教育ファーム活動を通して、将来酪農関係の仕事に就きたいと考える人が増えるきっかけになりたいと思います。教育ファーム活動と並行し、6次産業化にもチャレンジしてみたいです。牛乳が苦手な人でも食べられる乳製品を作り、さまざまな面から酪農について知ってもらい、酪農業界を盛り上げたいと考えています。