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未来の酪農家

未来の酪農家紹介「みどり牧場(北海道中札内村)阿部 翔希さん」

掲載日:2023.03.24

酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類 4年
家畜管理・行動学研究室  阿部あべ 翔希しょうき

 

酪農学園大学入学のきっかけ

本学の附属高校であるとわの森三愛高校に親の勧めで入学しました。高校で酪農に関しての知識や技術などを学び、もっと深く専門的なことを学びたいと思い大学に入学しました。
私の実家は酪農家で、小学生のころから牛と触れ合ったり、学校終わりに仕事を手伝いに行ったりと酪農に魅力を感じ、将来は後継者になろうと思いました。

在学中に力を入れたこと

特に力を入れたのは、ゼミ活動です。家畜管理・行動学ゼミに所属し、牛を管理するための経営の仕方や、搾乳ロボットやロータリーロボットで頻回搾乳することで個体乳量を増加できるのか―を研究するため、全国の酪農場を訪問するなどと、積極的にゼミに参加しました。

卒業論文の概要

「牛群データに基づく搾乳ロボットの利活用」をテーマに、全国の酪農場に視察に行き、搾乳ロボットのデータを収集し、1台当たりの搾乳回数と出荷乳量の関係などを研究しました。また、牛群単位でのデータ解析とあわせ、個体ごとの情報を乳牛の改良にも関連させて、さらに搾乳ロボットを利活用するための研究をしました。

牧場の概要

冠  名:MF
所  在  地:北海道河西郡中札内村新札内
経営面積:採草地 58 ha、飼料用(デントコーンなど) 61 ha
飼養頭数:ホルスタイン種 経産牛340頭、未経産牛330頭
出荷乳量:4,200t/年
牛  舎:放し飼い(フリーストール、フリーバーン)
搾乳方式:パーラー(パラレル/ダブル12頭)、ロボット4台
従  業  員:16名(家族3名、従業員13名)

牧場の歴史、特長、取り組みなど

(有)みどり牧場は曽祖父の代から酪農を始めて、現在は父が3代目となっています。
 1972年(昭和47年)5月
  (有)みどり牧場設立(2戸6人)、酪農と畑作経営の複合経営
 1988年(昭和63年)3月
  1戸1法人としての経営開始、酪農専業に転換
 1989年(平成元年)4月 
  簡易4頭へリングボーンパーラーの設置、3回搾乳の開始
 2000年(平成12年)9月
  フリーストール牛舎建設(204床)
 2001年(平成13年)
  バンカーサイロ建設
 2002年(平成14年)
  バンカーサイロ建設
 2009年(平成21年)10月
  フリーストール牛舎建設(120床)、バンカーサイロ建設
 2012年(平成24年)8月
  ビニールハウス育成舎建設
 2017年(平成29年)5月
  搾乳ロボット2台導入
 2020年(令和2年)9月
  搾乳ロボット2台導入

経営方針
 経営を安定させるため、効率的に生産性向上を図る。
 良質粗飼料の確保、1頭当たりの生乳生産量の増大、乳質の向上、乳牛管理技術の向上、労働生産性の向上

就農後の目標

就農後は、当面は今の経営を維持しながら、将来的には頭数を増やして生乳生産量増加を目指していきたいです。また、私は共進会が好きなので、乳牛改良にも力を入れていきたいと思っていますし、少しでも良い成績を残して地域の酪農の発展に貢献をしたいと考えています。
将来は(有)みどり牧場と、現在祖父が経営している(有)中島生産組合の経営を両立し、良質な生乳を出荷できるように頑張りたいです。

 

※阿部さんは酪農学園大学国際交流課が実施する海外農業研修サポートプログラムを利用して、2022年にカナダとアメリカの牧場で酪農実習を行いました。報告書では実習や共進会の様子をたくさんの写真と共に紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 2022年度 海外農業研修サポートプログラム  報告書
 https://exc.rakuno.ac.jp/archives/9323.html(酪農学園社会連携センターWebサイト)

未来の酪農家紹介「みどり牧場(北海道中札内村)阿部 翔希さん」

牛舎の外観

未来の酪農家紹介「みどり牧場(北海道中札内村)阿部 翔希さん」

搾乳ロボット牛舎(2000年建設)

未来の酪農家紹介「みどり牧場(北海道中札内村)阿部 翔希さん」

搾乳ロボット牛舎(2017年建設)

未来の酪農家紹介「みどり牧場(北海道中札内村)阿部 翔希さん」

家畜管理・行動学研究室の同期たち

未来の酪農家紹介「みどり牧場(北海道中札内村)阿部 翔希さん」

農業研修では「WORLD DAIRY EXPO」に出品する牧場の手伝いも経験した