基礎知識

今さら聞けない基礎知識

Basic Knowledge
栄養・飼料

飼料の種類

掲載日:2018.04.27

乳牛へは、その牛の養分要求量に過不足なく、多種ある飼料を適正に組み合わせて給与します。
飼料は牧草を主体とした飼料給与体系が基本となりますが、産乳量が多い牛ほど養分要求量が多くなり、牧草のような飼料のみでは養分が充分ではありません。そのため養分含量、例えばエネルギーやタンパク質含量の高い飼料給与が必要となります。
飼料は一般的に、牧草のように繊維含量が高く、かさ(容量)の大きいものを「粗飼料」、配合飼料やその原料のように高エネルギーや高タンパク質のものを「濃厚飼料」と大別しています。
高エネルギーな飼料としてはトウモロコシや大麦などの穀類、高タンパク質な飼料には食品製造副産物である粕類があります。
粗飼料は一般的に自給飼料が多く、牧草とその調製飼料(乾草、サイレージ)やトウモロコシ(サイレージ)を指し、自給粗飼料とも称されています。自給飼料の中でも、穀類を主体としたものは濃厚飼料の区分となり、トウモロコシの雌穂で調製するイアコーンサイレージや飼料用米などは濃厚飼料として扱われます。

乳牛への飼料給与は、消化生理特性に配慮したものでなければなりません。特に、第一胃機能が適正に維持されることが重要です。例えば飼料成分のうち繊維の給与は一定水準を維持しなければなりません。飼料給与が適正であるかを大まかに判断するものとしては、旧来より「粗濃比(粗飼料と濃厚飼料の比)」が用いられています。つまり、粗飼料は繊維質飼料との考えから、一定割合の繊維給与レベルが維持されているか否かの判断指標として用いられています。泌乳量の多い牛は養分要求量が多いため、濃厚飼料の給与量は多くなり、粗飼料の給与割合が低くなります。しかし、粗飼料の給与割合は 50%、最低でも 40%以上を維持することが望まれます(粗濃比最低水準 40:60)。

(監修:酪農学園大学 副学長 野 英二)

写真1.粗飼料

飼料の種類

写真2.濃厚飼料

飼料の種類

写真3.ミネラル・ビタミン

飼料の種類

写真4.TMR

飼料の種類

※ ダウンロードにはアンケートへのご回答が必要です。