トラクタの自動操舵技術は実用段階にあるのですか?
掲載日:2019.05.22
トラクタの自動操舵技術は僕らのような牛飼いにとって実用段階にあるのですか??それとも買うにはまだ早い?
GPS搭載トラクタによる農作業の経路誘導装置(GPSガイダンスシステム)は北海道において特に普及しており、およそ7割がトラクタ自動操舵装置と合わせて利用されています。大規模圃場の畑作のほかに水稲や酪農の粗飼料生産においても活用が期待されている技術です。
飼料生産作業におけるGPSガイダンスと自動操舵の利点は、①薬剤や肥料散布の高精度作業により余剰散布が減少してコストが抑えられる、②飼料作物列の直進性や枕地での回行方法が変わり作業の効率化がはかられる、③作業跡が視認しにくい場合や夜間の作業が可能になること―です。またこうした作業性が改善されることでトラクタオペレ-タの作業負担や疲労も軽減されます。
採草地では傾斜地の利用が多いことから、トラクタの傾斜を補正する自動操舵装置を利用することも必要です。自動操舵で行う作業によって求められる測位精度は変わりますので、合致するシステムを選択して利用することが望ましいと考えます。
【回答者】
酪農学園大学 農食環境学群 循環農学類
教授 小宮 道士