乳牛のステージ別呼称
掲載日:2018.06.04
牛は発育段階や出産経験の有無によって異なった呼び方をされます。
発育段階別呼び方
・子牛
誕生してから離乳までのおよそ2カ月間の牛を「子牛」と呼びます。子牛は病気に対する抵抗力が非常に弱いため、産まれて間もなく母牛と離して清潔な環境で1頭ずつ管理されます。
誕生時の体重は35~45kgで、2カ月間で80kg近くまで成長します。
・育成牛
離乳後、出産するまでの牛を「育成牛」と呼びます。丈夫な体を作るため、広い運動場や放牧地で管理されます。地域の酪農場から育成期の牛だけを預かり管理する「育成牧場」もあります。
13~15カ月齢で人工授精を実施し、およそ10カ月間の妊娠期間を経て24カ月齢で出産します。
育成牛の成長は非常に早く、体重は6カ月齢で200kg、12カ月齢で370kg、24カ月齢で590kgに達します。
・成牛
出産した牛は「成牛」と呼ばれます。
24カ月齢以降は60カ月齢頃までゆるやかに成長を続け、760kgほどになります。
出産経歴別呼び方
・未経産牛
育成牛の中でも、受胎してから出産するまでの期間の牛を「未経産牛」と呼びます。
・経産牛
出産経験のある牛を「経産牛」と呼びます。
搾乳状態別呼び方
・搾乳牛
出産して乳を搾れるようになった牛を「搾乳牛」と呼びます。搾乳はおよそ10カ月間行います。
出産後2~3カ月を目安に、次の子牛を産んでもらうために人工授精を実施します。
・乾乳牛
出産予定の2カ月前を目安に搾乳を止めることを「乾乳」、乾乳している期間を「乾乳期」、その期間の牛を「乾乳牛」と呼びます。乾乳期は、健康な子牛を産むための体力を蓄える重要な期間です。
出産から乾乳までの12~14カ月を1つの周期とし、これを3~4回繰り返します。
(監修:酪農学園大学 副学長 野 英二 )